urisol.com と urinosuke.com を Cloudflare Pages に移行した背景
私は現在、法人サイト urisol.com と個人サイト urinosuke.com の2つを運用している。両サイトとも Astro + Cloudflare Pages 構成で、Claude Code を使ってほぼ一人で構築した。
移行前は別のホスティングサービスを使っていたが、「静的サイト生成(SSG)の利点を最大限に活かせる環境」を探していた。その判断軸として繰り返し参照したのが、山本陽平『Webを支える技術——HTTP、URI、HTML、そしてREST』だった。
この本はREST/URI/HTTPの設計原理を平易に解説した定番書で、Web技術の「なぜそう設計されているか」を理解するのに役立つ。私がCloudflare Pagesを選んだ理由も、この本で学んだ原則に沿って整理できる。
理由1: URI設計の一貫性を保ちやすい
『Webを支える技術』では、URIは「リソースの名前」であり、リソースの状態や表現が変わってもURIは変えないべきだと説明されている。
urisol.com では技術記事を /posts/{slug}/ 形式で配信しているが、記事の内容を更新してもURLは変わらない。これはAstroの Content Collections 機能と Cloudflare Pages の静的配信が組み合わさることで、ビルド時に確定したパスがそのまま配信される構造だからだ。
動的なCMSやサーバーサイドレンダリング(SSR)を使うと、URLパラメータやクエリ文字列でリソースを識別する設計になりがちだが、静的サイト生成ではファイルパスがそのままURIになる。この「ファイル = リソース」の対応関係が明快で、URI設計の一貫性を保ちやすい。
私は検索エンジンからの流入を意識しているため、URLが変わらないことは重要だった。『Webを支える技術』のURI設計原則を読んで、「静的サイトはRESTの思想と相性が良い」と確信した。
理由2: HTTPステータスコードを適切に返せる
Cloudflare Pages は、ビルド済みの静的ファイルをエッジから配信する。存在しないパスにアクセスすると自動的に 404 を返し、リダイレクトが必要なら _redirects ファイルで 301/302 を設定できる。
『Webを支える技術』では、HTTPステータスコードは「リソースの状態を伝えるメタ情報」であり、200/404/301 などを正しく使い分けることがRESTfulなAPI設計の基本だと説明されている。
私は urinosuke.com で過去に一度、記事のスラッグ(URLの末尾部分)を変更したことがある。このとき、旧URLから新URLへの 301リダイレクトを _redirects ファイルに書いた。Cloudflare Pages はこの設定を自動的に認識し、旧URLにアクセスしたユーザーを新URLに転送してくれる。
SSRやサーバーレス関数を使う構成だと、リダイレクト処理をコードで書く必要があるが、静的サイトでは設定ファイル1つで済む。この「シンプルさ」が、個人運用には向いていると感じた。
理由3: キャッシュとエッジ配信の恩恵を受けやすい
Cloudflare Pages は、ビルド済みのHTMLファイルをCloudflareのCDNに配置し、世界中のエッジサーバーから配信する。ユーザーがアクセスすると、最も近いエッジサーバーがファイルを返すため、レスポンスが速い。
『Webを支える技術』では、HTTPのキャッシュ機構(Cache-Control, ETag, Last-Modified など)が詳しく解説されている。静的サイトは「内容が変わらない限りキャッシュを使い続けられる」性質があり、CDNと相性が良い。
私は urisol.com でブログ記事を毎週3本自動投稿しているが、一度ビルドしたHTMLはデプロイ後すぐにエッジにキャッシュされる。新しい記事を追加しても、既存の記事のキャッシュは残るため、サイト全体の配信速度が落ちない。
この「ビルド → エッジ配信 → キャッシュ」の流れは、『Webを支える技術』で学んだHTTPの仕組みそのものだった。原則を理解していたおかげで、Cloudflare Pages の構成が「なぜ速いのか」を納得して選べた。
まとめ: 原則を知っていると選択肢の質が上がる
私が Cloudflare Pages を選んだのは、『Webを支える技術』で学んだREST/URI/HTTPの設計原則が、静的サイト生成と相性が良いと判断したからだ。具体的には、URI設計の一貫性・HTTPステータスコードの適切な返し方・キャッシュとエッジ配信の恩恵という3つの理由があった。
技術選定では「流行っているから」「安いから」という理由で選びがちだが、原則を理解していると「なぜその技術が適しているか」を自分の言葉で説明できる。私は今後もサイトを改修していくが、『Webを支える技術』の原則は判断軸として使い続けるつもりだ。
個人サイトを運用している人や、これからブログを始める人にとって、この本は「技術選定の言語化」に役立つ一冊だと思う。