Claude Codeで2サイト運営して分かった「コンテキスト設計」の3原則:urisol.com と urinosuke.com の実装ログ

Claude Code で2サイトを回す日常

Claude Code を使って urisol.com(法人・NDT技術サイト)と urinosuke.com(個人ペンネームサイト)の2つを実際に構築し、運営している。両サイトとも Astro + Cloudflare Pages の構成で、記事投稿は自動化スクリプトで回している。

最初は「AIが勝手に書いてくれる」と期待していたが、実際には コンテキスト設計——つまり「何をどう伝えるか」の情報設計——が9割を占めることに気づいた。今回は2サイト運営を通じて固まってきた「コンテキスト設計の3原則」を、失敗事例とセットで書いておく。

原則1: 事実と目標を分離して記述する

最初の失敗は「著者プロフィールに目標を混ぜて書いた」ことだった。例えば「年間配当で生活している」という記述を入れたところ、Claude Code が「達成済み」として記事を生成してしまった。実際にはまだ計画段階なのに。

『LLMのプロンプトエンジニアリング』(オライリー・ジャパン)では、コンテキストの曖昧さが出力の不安定性に直結すると指摘されている。この本は GitHub Copilot の設計者が書いたもので、「スカフォールディング(足場づくり)」の概念——つまり、どの情報をどの順序で渡すかの設計——が繰り返し強調されている。

この教訓から、著者事実台帳には 【目標】【計画】のタグを明示し、事実と区別するルールを導入した。Claude Code に渡すプロンプトでは「事実として動かせない前提」と「目標・構想」を別セクションに分けている。これで「まだやっていないことを実績として書く」ミスが激減した。

原則2: 禁止事項を具体例で列挙する

「書いてはいけないこと」を抽象的に伝えても、Claude Code は解釈にブレが出る。例えば「収入の具体額を書かない」とだけ伝えると、「業界相場として書く」のか「目標値として書く」のかが曖昧になる。

『生成AIのプロンプトエンジニアリング』(オライリー・ジャパン)では、Few-shot(具体例の提示)と禁止事項の明示が評価スコアに直結するというデータが示されている。特に「NG例」を具体的に列挙する手法が、誤生成の防止に効果的だと書かれている。

これを受けて、プロンプトには 「書いてはいけない」セクションに具体例を並べるようにした:

  • NG例: 「今年50歳を迎える」(実際は38歳)
  • NG例: 「月収○○万円を達成」(計画段階)
  • NG例: 「○○製油所で実施」(固有名は出さない)

この列挙を入れてから、年齢や実績を誤って書く事故がほぼなくなった。禁止事項は 抽象ルールより具体例、というのが2サイト運営で学んだ2つ目の原則。

原則3: 出典リストを事前に固定する

記事で書籍を引用する際、最初は「関連書籍を適当に選んでリンクを張る」運用をしていた。ところがこれだと、実際には読んでいない本を引用してしまうリスクがある。信頼軸で発信している以上、これは致命的。

『実践Claude Code入門』(技術評論社)では、サブエージェント設計——つまり、限定されたドメイン知識だけを参照させる仕組み——が推奨されている。この本では、チーム導入時の「ハルシネーション(幻覚)防止」策として、参照可能なドキュメントを明示的にリスト化する手法が紹介されている。

これを応用して、「うりさんが読了した書籍リスト」というファイルを作り、記事生成時に必ずこのリストから選ぶルールにした。リストには ASIN(Amazon の商品ID)、カテゴリ、読了メモを記載しており、Claude Code はここからしか引用できない。

この設計により、「読んでいない本を推薦する」事故がゼロになった。出典の信頼性を担保するには、参照可能な情報源を事前に固定する——これが3つ目の原則。

失敗から学んだ「情報設計」の重要性

2サイトを運営してみて痛感したのは、Claude Code は「書く」ツールではなく「設計を実装する」ツールだということ。何をどう伝えるか(コンテキスト設計)が9割、実際の文章生成は1割に過ぎない。

『達人プログラマー』(オーム社)では、「DRY原則(Don’t Repeat Yourself)」と「直交性」が繰り返し強調されている。これは文章生成にも当てはまる。事実と目標を分離し、禁止事項を具体例で固定し、出典リストを事前に用意する——この3原則は、情報の重複と曖昧さを排除する設計そのものだった。

Claude Code を使って「稼ぐ」「効率化する」という話はよく見かけるが、実際には 設計をどう組むか——つまり、自分の頭の中をどう言語化してプロンプトに落とし込むか——が本質だと感じている。2サイト運営は、その設計力を鍛える実験場になっている。

まとめ: コンテキスト設計は「自分の頭の外部化」

Claude Code で2サイトを回す中で固まってきた3原則をまとめると:

  1. 事実と目標を分離して記述する(タグで明示)
  2. 禁止事項を具体例で列挙する(抽象ルールではなくNG例)
  3. 出典リストを事前に固定する(参照可能な情報源を限定)

これらは「AIに丸投げ」ではなく、自分の判断軸を言語化して外部化する作業だった。urisol.com と urinosuke.com の運営を通じて、コンテキスト設計の精度を上げ続けている。

関連書籍

LLMのプロンプトエンジニアリング

GitHub Copilot 設計者によるプロンプト設計論。スカフォールディング(足場づくり)の概念が、Claude Code のコンテキスト設計にそのまま応用できる。

生成AIのプロンプトエンジニアリング

モデル非依存の原則が軸。Few-shot・禁止事項の明示・評価設計が、業務用プロンプトのテンプレート化に直結する。

実践Claude Code入門

チーム導入・サブエージェント設計の実務論点。失敗事例の言語化が、2サイト運営の設計判断に役立った。

達人プログラマー(第2版)

DRY・直交性・信頼性の普遍原則。Claude Code 時代でも「何を書かないか」の判断軸として有効。

参考

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