新NISAで何を買うか迷っている人へ
2024年から新NISA制度が始まり、年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)を非課税で運用できるようになりました。私も個人事業主+法人代表という立場で、この制度を使ってFI(経済的自立)に向けた資産形成を進めています。
今回は、私が実際に成長投資枠で何を買っているのか、ポートフォリオの全容と選定理由を公開します。「インデックスか個別株か」「高配当か成長株か」で悩んでいる人の参考になれば幸いです。
結論から言うと、私は成長投資枠でも個別株は買わず、インデックスファンド中心で組んでいます。理由はシンプルで、現場仕事が忙しく銘柄分析に時間を割けないこと、そして「市場全体の成長を取りに行く」方針で十分だと判断したからです。
私のNISA成長投資枠ポートフォリオ(2026年4月時点)
成長投資枠240万円の配分は以下の通りです(割合は想定値であり、実際の投資額は非公開)。
- 全世界株式インデックス(オルカン等): 50%
- 米国株式インデックス(S&P500等): 30%
- 国内高配当株式インデックス: 20%
つみたて投資枠120万円も全世界株式で埋めているため、NISA枠全体では「全世界株+米国株+国内高配当」という3本柱になっています。
なぜ個別株を買わないのか
NDT検査の現場は春と秋が繁忙期で、1日10時間以上の作業が続くこともあります。帰宅後に決算書を読み込んだり、四半期ごとの業績を追ったりする余力はありません。
水瀬ケンイチ著『改訂版 お金は寝かせて増やしなさい』でも、「個人投資家が市場平均を上回り続けるのは極めて難しい」と繰り返し書かれています。私はこの原則に従い、市場全体を買うインデックス投資で十分と判断しました。
個別株を選ぶ楽しさや、大化けする銘柄を引き当てる快感はあるでしょう。しかし私にとって投資は「FI達成のための手段」であり、趣味ではありません。時間を現場技術の向上や法人経営に集中させるため、ポートフォリオはシンプルに保っています。
全世界株と米国株を併用する理由
「全世界株だけでいいのでは?」という意見もあります。実際、全世界株式インデックスには米国株も含まれているため、理論上は1本で完結します。
それでも米国株を別枠で持つのは、米国市場の成長性に追加で賭けたいという判断です。全世界株の時価総額比率では米国が約60%を占めていますが、これをもう少し傾けて米国比率を高めたいと考えました。
これは「ホームカントリーバイアス」の逆パターンとも言えます。日本在住でありながら、成長の主軸を米国に置く選択です。リスクが高まる面もありますが、12年後の50歳時点で年間配当200万円という目標を達成するには、ある程度の成長ドライバーが必要だと判断しました。
国内高配当株を入れた理由:配当所得の実感
国内高配当株式インデックスを20%入れたのは、配当金を受け取る実感を得るためです。
全世界株や米国株は再投資型(分配金なし)のファンドを選んでいるため、資産は増えても現金は入ってきません。一方、国内高配当株は年2〜4回の分配金が証券口座に振り込まれます。
この「入金体験」がFI設計において重要だと考えています。ビル・パーキンス著『DIE WITH ZERO』では「資産を使う設計」の重要性が説かれていますが、配当金という形で定期的にキャッシュが入ることで、「いつ、どう使うか」を考える習慣がつきます。
50歳時点で「呼ばれて行ける自分」を維持しながら、配当所得で生活費の一部をカバーする設計です。完全リタイアではなく、社会接続を保ちつつ経済的自立を達成する——これが私のFI設計の核です。
積立頻度と購入タイミング
成長投資枠は一括投資も可能ですが、私は毎月定額で積み立てる方式を取っています。理由は以下の通りです。
- 現場仕事の収入が月ごとに変動するため、一括で大金を入れるタイミングを見極めるのが難しい
- ドルコスト平均法で高値掴みのリスクを分散したい
- 「毎月の習慣」として組み込むことで、相場の上下に一喜一憂しない
金融庁の「NISA特設サイト」でも、長期・積立・分散の3原則が推奨されています。成長投資枠であっても、私はこの原則を守る運用をしています。
参考: 金融庁 NISAとは
ポートフォリオ見直しのルール
運用開始後も放置せず、年1回(確定申告時期に合わせて2月)にポートフォリオを見直しています。確認するのは以下の3点です。
- 資産配分の乖離: 株価変動で当初比率がずれていないか
- 配当利回りの変化: 国内高配当ファンドの利回りが想定範囲内か
- ライフステージの変化: 子供の進学や法人事業の拡大など、資金需要が変わっていないか
リバランスは原則年1回のみ。頻繁に売買すると、かえって税効率が悪くなるため、大きなズレがない限り放置します。
FI目標との接続:50歳で年間配当200万円
私のFI設計は2段構えです。
- 43歳(5年後): サイドFIRE達成。配当+副業で生活費の一部をカバーし、本業は選んで受ける状態
- 50歳(12年後): 年間配当200万円達成+「呼ばれた現場のみ受ける」働き方へ移行
この目標を達成するには、NISA枠だけでなく課税口座やiDeCoも併用する必要があります。今回公開した成長投資枠のポートフォリオは、その土台の一部です。
完全リタイアではなく「呼ばれて行ける自分」を維持する——これが私のFI論の核であり、配当所得はその経済基盤として機能します。詳しくは以前の記事「FIは逃げじゃない — 呼ばれて行ける自分を作る経済基盤」で書いています。
まとめ:シンプル・長期・放置が最強
私のNISA成長投資枠ポートフォリオをまとめます。
- 全世界株50%+米国株30%+国内高配当20%
- 個別株は買わず、インデックス中心
- 毎月定額積立でドルコスト平均法を実践
- 年1回のリバランスのみ、それ以外は放置
「何を買うか」で悩む時間があるなら、市場全体を買って現場に集中する。これが現場エンジニアとしての私の結論です。
あなたがもし「成長投資枠で何を買うか」迷っているなら、まずは全世界株1本から始めてみてください。それだけで十分にリスク分散されており、長期で見れば市場平均のリターンが得られます。
関連書籍
改訂版 お金は寝かせて増やしなさい
インデックス投資の実務バイブル。新NISA時代の積立設計の思想的支柱として使っています。
DIE WITH ZERO——人生が豊かになりすぎる究極のルール
「使う設計」の理論。配当金という形でキャッシュを受け取る意味を考え直すきっかけになりました。